ウズベキスタンに行って以来、中央アジアの文化の混ざり具合に夢中です。雲南での茶馬古道は「南のシルクロード」と言われたようで、そこからシルクロードに興味が出ているものですが、中央アジア付近のことをもっと知りたくて、図書館で見つけて読みました。
それにしても、この森安さんという歴史学者さん、初めて知りましたがガッツ?というか反骨精神?みたいなある、学者さんだな…歴史を学ぶ意義とは、権力批判であると。歴史学に携わる教員の大きな使命の一つは権力の監視であり、そのために学生に批判精神を植え付けることであると。
前書き段階で「権力とは何か?」と問いかけるところは私好みです。権力の本質とは何かと。それは暴力であり、社会に置き換えると暴力とは軍事力や警察力。また、宗教についても言及されていて、そのことも私にとっては納得するところでした。しかるに、「宗教も倒置のための方法である」ということ。もちろん、そういうことは学校で習ってきたものです。「仏教を利用して国を統治した」とか。でも、改めて非常に納得するところでした。宗教という大義名分やシステムを利用すると、非常に便利で人を動かすことが容易になるということなんですよねえ。。だから、宗教って個人的なものではないのでは?と思いました。社会を形作るシステムとしての宗教ということだよね。それは世界中どこでも見られるものであり、当たり前じゃといわれればそうなのかもしれないけれども、宗教を知らずにxxxを理解できない、といわれるけれども、それこそ当たり前じゃ、です。
さて、本の内容について。「勝てば官軍負ければ賊軍」だから、学校で習うような世界史は西欧中心の歴史観であるけれども、少し前の時代にさかのぼれば、世界を支配していたのは、例えばオスマンだったりティムールだったりチンギス・ハーンだったりの帝国で、ここから見ればまた歴史は違ったものになる。よく言われているように「中国」だって、漢民族だけでの歴史ではないわけで、ものすごく興味深くて知的好奇心を満たされて、新しい知識を得られて自分の見方が覆されるような本だったけれども、いかんせん情報量が多くてキャパオーバー気味となり、かつ世界史の知識もあまりないのでつぎはぎの自分の知識だけではとても消化しきれない。
とにかく、以下のような私の最近の興味があるワードがたくさん出てきて、それだけで満足してしまうという本でしたが、これからいろいろ深堀していきたい!
- ゾグド人
- 大月氏
- マニ教
- ゾロアスター教
- 遊牧民、騎馬民族
- シルクロード
ユーラシア大陸に興亡した王朝の数々、そこの知識がほしいなあ。何とか朝何とか。ササン朝ペルシア、とか。
なんか、本当に流れてきた時間のその一部を生きていること実感するのでした。
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