先日、日比谷図書館に行きました。
会社法についての本が多く置いてあった。世の中には、こんなにたくさんの会社法やガバナンスの本があるのか!
出版されている多くの本があり勉強することができるのだから、会社法、コーポレートガバナンス関連についても学びたく、近所の図書館で本を借りて、にわか勉強してみました。
そして、思いました・・・
あー、おもしろい!!!
一見眠くなるような内容の本ではありますが、業務に関連するところは勉強になるし、このような知識を知らないから仕事が苦しいんだと思いました。記録として残しておきます。
知識がないことがネックになっているのならば、さっさと知識を身につけるしかないんです。
2015年に出版された本ですが、今まさに自分の職場で起こっていることでした。10年前に議論されていることが、今の所属会社で起こっているのですねー
大変勉強になりました。コーポレートガバナンスコードが導入された経緯、目的、課題・・・についての本です。
これならわかる コーポレートガバナンスの教科書 松田 千恵子
そもそも、ガバナンスとは何か?企業のかじ取りを、関係者間でいろいろ考えていこうよということのようです。
なぜ今このタイミングで、コーポレートガバナンスがとりざされるのか。(この本が出版されたのは2015年です)
それは、アベノミクスと関係があるようです。アベノミクスの第三の矢「成長戦略」の一環として、企業統治のあり方・改革が大きく取り上げられているようです。様々な理由(ブルドックソース事件)があり日本の株式市場から、海外投資家が逃げていった。それを、カバナンスを正して投資家に戻ってきてほしいというラブコールなのであったと。
つまり、国が、経営者に対して「変われ!グローバル競争に勝てず、稼げず、国も国民も潤わないから」と言っている。そして日本再興戦略を経て、制度が変化し、土壌を作っていっているようです。
- 会社法の改正
- スチュワードシップコードの制定
- コーポレートガバナンス・コードの制定
本を通して、「自分たちの会社のことに、外部からとやかく言われるなんて余計なお世話だ、うっとおしい」と思っている経営者が多いことがわかります。それでも、変わらざるを得なければならなかった。上場会社ではないけれども、まさしく今の私の会社の状況・・・
余談ですが、本を読んで思ったこと。会社でも、ROEとか伊藤レポートとか、いろいろとりざされているのですが、なるほど。そういうのってコンサルから言われたとか、担当者が決めて降ってわいたものではなくて、バックには国の施策があったのですね?それをブレイクダウンしてようやく降りてきたものだと。いきなり経営企画が思いついているのかとか、思っていたけどそうではない。前例があるものなんだな。変に、この人頭いいんだなとか思わないようにしよう。。笑
定められている基本原則は、5つです。法律で縛るのではなく、「コード」です。Comply or Explainというのが方針としてあります。「遵守せよ、しないなら、しない理由を説明せよ」。あー、そういえば。以前に出たオンライン研修で「ルールを守れ、守れないなら言え、守ったふりをするな」なんて言っている方がいましたわ。ちょっとリンクする。
- 株主の権利 平等性の確保
- 株主以外とのステークホルダーとの適切な協業
- 適切な情報開示と透明性の確保
- 取締役会等の確保
- 株主との対話
買収防衛策はなぜ問題か。株主の権利が平等なのは会社法で定められているのに、と思うものの、「経営者の保身」によって往々にして阻害されるもののよう。なるほどねー経営者と、株主が結託することもできる。あと、利益相反。
経営者の規律という点も面白かった。ダイエットをすることを上げていて、どんなに自分を律していても、甘いものを食べてしまうこともある。経営者を切り続けるために仕掛けを作っている。やはり経営者は孤独なものだという。「まあ、いっか」と経営者がならないために、ほかのだれかにさぼっていないかチェックしてもらう。
サラリーマン社長など、なんとなく持ち上がってトップに立たざるを得なくなった社長も多くいるという。
つらくても完遂できる人はもちろんいるでしょうが、そんなにつらい状況をほおっておくのはいかがなものでしょう。会社経営という大事を支えるのは、孤独な経営者の頑張りだけ。何とか気を張って持ちこたえている毎日、というのは、経営者にとって厳しすぎるとも言えます。もう少し、経営者を楽にする「仕組み」にしましょうよ。こう考えると、コーポレートガバナンスの必要性がわかると思います。
なるほど、こういうのも愛なのね~もちろん、そんなあたたかいものではないでしょうが。
経営者に一人でダイエットさせない仕組、というもの!そして、トップの暴走と逃走を防ぐ役割。
その仕組みがどういうものになるのかは、各国によってさまざまだという。米国型は株主の発言権がかなり強い。欧州型は、従業員の発言力が強い。日本は、経営者は内部昇格にこだわっているが、その問題点は、外部から見ていると、その人が本当に適任なのかわかりにくいという。
んー、それにしても、著者の方は言いたいことがたくさんあるんだろうなあ。本の後半は、理想的で教科書的で説教くさいね。それでも勉強になるくらいにわたしは、求めている知識であるけれども。こういう背景知識が、勉強するには必要なのよ。
内部昇格の人々は、いったいいつ、「経営者」になるのでしょうか。いつマネジメントとしてのスキルや資質を身に着けるのでしょうか。平社員から課長になった時?部長になった時?確かに、部下が付いたことによって学ぶことは多いでしょう。チームを率いていかねばならず、リーダーシップも養われるかもしれません。業務知識も身につくし、管理のノウハウもだんだんわかってくるでしょう。しかし、それだけで経営者になれるでしょうか。残念ながらなれません。課長であっても部長であっても、しょせんは決められた業務の範囲で、与えられた資源配分の範疇で、依存の業務をよりよくすることが仕事の中心です。経営者は違います。決められた業務をやっているのではなく、次の一手を新しく考えなければなりません。資源配分は自分で考えなければなりません。その際には様々な利害の衝突や相反が出てきます。(中略)もちろん、業務知識があれば役に立つこともありますが、細かい知識よりも必要なのは、戦略的な思考や対局を見る力です。そしてなんといってもリスクをとる意思決定をしなければなりません。
著者は、「日本企業にはやることいっぱい、課題がいっぱい、だめなところいっぱい!まだまだ道半ばだーーー!」って叫んでいるみたい。取締役会の議題が多すぎる、後継者を育てる仕組みは透明性を持っていてこうあるべきだ、社外取締役のあり方、などなど。こんな人が会社にいたら、大変だろうなあ(笑)まったくその通りで正論なんだけどさあ。。。でもねえ・・・・って、思われそう。そいう言うもんなんでしょうね、ガバナンスを利かせていくということは。
でも、事業あってのガバナンスなんでしょ?商品あってこそ。両輪なんだろうけれども、ガバナンスをやっている部署が幅を利かせるのはどうかねって。でも社外取締役が偉いですからなあ。うーん。
本の中でも紹介されているけれども、ドラッカーは経営に大事なのは「イノベーションとマーケティング」と言っており。ガバナンスとやかく非常にうるさいけれども、でも、事業あってこそなんじゃないの?って思うけれどもね。
うざっ!て思っている人多いと思う。もし社外取締役で細かいこととやかく言ったりして。でも、ある意味そこさえ押さえておけば、ガバナンスちゃんとしていれば、最強なんじゃない?って思うのでした。
わたしは管理部門に所属していて、コンプライアンスやらガバナンスやらが身近な環境。人って、きっと、放っておくと緩んできちゃうんだろうね。ダイエットは一人でやるには限界があるってこと。
ばらばらと書きましたが、いずれにしても読んでよかった本です。あー、わたしは何の知識も持たずに(武器も持たずに)戦っているのね、と思いました。午後休暇を費やして読むことができてよかったと思います。笑
グループ経営についての著書も出版されているようなので、次はこちらを読みたいです。
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