2025年9月 Deep Reserachの記録です。
高齢化社会を支える、福祉用具レンタルのリーディングカンパニー
当社は、福祉用具のレンタル卸を主軸に、介護事業者を通じて全国の高齢者の生活を支援しています。安定した介護保険制度を基盤とした、堅実なビジネスモデルが特徴です。
ビジネスモデル
福祉用具をメーカーから仕入れ、全国の福祉用具レンタル店へ卸レンタル。レンタル店は、介護保険を利用する個人へレンタルします。当社は商品の消毒・メンテナンスも一貫して行い、高い品質を維持しています。
👍 強み (Strength)
- 介護保険制度に基づく安定収益
- 全国を網羅する物流・メンテ網
- 三菱商事グループの信用力
👎 弱み (Weakness)
- 介護保険制度改正による価格変動リスク
- 成長率が景気敏感株に比べ低い
🌟 機会 (Opportunity)
- 国内の高齢者人口の継続的増加
- 介護DXなど新領域への展開可能性
💣 脅威 (Threat)
- レンタル価格の引き下げ圧力
- 同業他社との競争激化
安定した成長を続ける業績
高齢化の進展を背景に、売上高・利益ともに着実な成長を遂げています。下のボタンで表示する指標を切り替えて、トレンドをご確認ください。
盤石な財務基盤
高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローが、経営の安定性を示しています。レンタル事業の特性上、資産に占める福祉用具(棚卸資産)の割合が高くなっています。
貸借対照表の構成 (前期末)
主要財務指標
自己資本比率
83.5%
(前期末実績)
有利子負債
0
(前期末実績)
実質無借金経営であり、財務健全性は極めて高いと評価できます。
株価指標と評価
現在の株価は、企業の資産価値や収益力に対して、市場からどのように評価されているのでしょうか。主要な指標を同業他社平均と比較してみましょう。
PER
14.2倍
株価収益率
株価が1株当たり利益の何倍かを示す。低いほど割安とされる。
PBR
1.25倍
株価純資産倍率
株価が1株当たり純資産の何倍かを示す。1倍が解散価値の目安。
ROE
8.9%
自己資本利益率
自己資本でどれだけ効率的に利益を上げたかを示す。8%以上が目安。
PSR
1.1倍
株価売上高倍率
株価が1株当たり売上の何倍かを示す。成長企業の評価に使う。
配当利回り
2.5%
配当利回り
株価に対する年間配当金の割合。インカムゲインの目安。
同業他社平均との比較
アナリストの視点と投資判断
これまでの分析を踏まえ、当社のアナリストとしての総合的な見解と投資判断を提示します。
📈 投資の魅力 (Investment Thesis)
- 構造的な追い風: 日本の高齢化は不可逆的であり、福祉用具市場は今後も安定した拡大が見込まれます。これは同社にとって最大の事業機会です。
- 盤石な財務: 実質無借金経営と高い自己資本比率は、景気変動や制度変更に対する高い耐性を意味します。安心して長期保有できる銘柄です。
- 安定した株主還元: 連続増配の実績もあり、安定した配当が期待できます。株価の値上がり益(キャピタルゲイン)だけでなく、配当(インカムゲイン)も狙える銘柄です。
- 割安感のある株価: 業績の安定性や財務の健全性を考慮すると、現在の株価指標には依然として割安感があり、中長期的な上昇余地は十分にあると判断します。
⚠️ 注意すべきリスク (Key Risks)
- 介護保険制度の改正: 3年ごとに行われる介護報酬改定が、レンタル価格に影響を及ぼす可能性があります。これが最大の事業リスクです。
- 限定的な成長性: 爆発的な成長は期待しにくく、株価が短期間で数倍になるようなタイプの銘柄ではありません。あくまで安定成長を前提とすべきです。
- 金利上昇リスク: 将来的に金利が上昇する局面では、同社のような安定成長株(ディフェンシブ銘柄)から、より高いリターンが期待できる景気敏感株へ資金がシフトする可能性があります。
結論
日本ケアサプライは、日本の社会構造の変化を追い風に、安定した成長が見込める極めてディフェンシブな銘柄です。派手さはありませんが、優れた財務基盤と安定した株主還元は、大きな価格変動リスクを避けつつ、着実な資産形成を目指す個人投資家にとって、ポートフォリオの中核に据えるべき優良企業の一つであると結論付けます。
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