ぴこは株とかやっているの?と先輩に聞かれました。
その日、別の場で「xxxという銘柄の株を買った」という話を別の人がしていました。
株の売買をすることについて、私の周りで話されるなんてことはめったにありません。そういうリアルな界隈には生きていないのです。それが1日に2回も投資関連の話を聞くなんて、驚きました。
日本も個人投資が一般的な社会になってきたということか…とも思いましたが、
バブルの時だって、個人投資が盛んだったわけですよね。
また一周回って個人投資が盛んになってきたため、雑談でも投資の話しが出てきているのか。
はたまた、自分が株式投信にたまたま興味を持っているタイミングだったので、カクテルパーティー効果でそのように感じているだけなのか。
いずれにしても、SNSなどの影響で情報を得る機会が増えているのも事実です。毎日のように動画で投資話に触れ続けているわけです。昔からあることなのでしょうが、今こんなにも投資の話が出ているということは何なのだろうか?それが個人にとって役に立つ情報だからなのか、投資会社の利益が上がるからなのか、その付属業界が恩恵を受けるからなのか。
自分のような慎重派の人間が個人投資だなんて、それこそバブルがはじけるくらいには成熟しているのではないか!?などとも思っちゃいます。そして、ケネディの靴磨きの少年の寓話を思い出すわけですね(この話は、作り話であるらしいけれども)。ここらへんで切り上げたほうがいいのか、とか。
さて、そんな状況ではありますが個人投資に興味を持っているのは事実なので本を読んでみました。
先日発売された本で最新です。まったく、ミーハーなタイトルですが、別に読むだけだったら害はないですしね。
「オルカンの次の投資」って、まさしく私が考えていることではないかー!わたしと同じような考えの人が多いということですね。ちなみに、この記事から本の存在を知りました。

ゴールドマンサックスに努めていたという著者の宇野氏。
3月11日の大震災直後も、トレードを続けて損失を最小限にとどめることができたと冒頭で書かれていました。狂っている、頭おかしいなと思いました。それが本当の話でも、本で公開するようなことでもないし、人間的にどうかと思われるだけだと思うのですが…
当たり前ですが、お金を稼ぐことと人間として真っ当かという問題は別問題だという世界に我々は生きているわけですよねえ。資本主義、そう、資本主義。
この本を読んでよかったと思いました。
なぜか?
「セゾン投信 セゾン・グローバルバランスファンド」を宇野氏は保有しているということだったから、安心したのです…
このセゾン・グローバルバランスファンドは、株式50% 債権50%という構成なのですね。わたしはそんなこともわからずに、以前からこのファンドを購入していました。大変に初心者に優しい印象だったのでそこで申し込みをしたのだと思います。おそらく2015年くらいから、本当に小額を購入して多様な記憶。あの頃は、資料請求をして申込書を郵送しなければいけなかった…
「ほったらかし投資」というものを知りなんとなくやっていました。まさしく本当にほったらかし。
たまに、自分のお金のことを整理資料と思い始めるのですよね。
今は、そのような構成がどういう意味かも少しは理解して、保有していていいんだと思えました…
さて、この本の結論は「王道はオルカン、オルカンに投資しておくのが現時点では最適解」ということでした。
どのような本でも、そう言っていますね。インデックスファンドにしておきなさい。長期で保有しなさいと。
この本でも、なぜ長期的に「オルカン(グローバル分散・パッシブ投資)」が儲かるかを丁寧に解説しています。
理論的な背景として「人口増加」と「技術革新」を挙げています。
世界中の金融商品を全部買いするというというしアイデアあるとして、それに乗っ取ること。
①仮説:人口増加と技術革新により世界経済の成長は続くだろう
②そのため、世界中の株式や債券を全部買いすれば、世界経済の成長の果実を享受できる
③つまりは、グローバル分散・パッシブ投資(株式)が最良解
※様々な投資手段があるけれども、多くの投資家はオルカンへの投資だけで考えれば十分(投資期間が長期にわたるケース)
しかし、オルカンで味をしめると次の世界をみたくなる、スケベ心をだしたくなるという人間の心理もばっちり理解している。
オルカンを持っていればいいのに、もっとやってみたくなる。わたしもそのうちの一人です。
それでなくても、「過去を振り返ると株式市場は常に右肩上がりで上昇しているわけではなく、数年に1度は2割程度下落している。10年~20年のスパンで考えると、リーマンショックのような事態が起きて5割程度下落することも想定しておくべき」ということで、オルカン以外もやっておいたほうが良いようです。そのためには債権がよい(株価と違う動きをする)らしいのですが、どのような割合で債権を持てばよいか。で、参考になるのがGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオなのですって。開示されている情報を見ると、4資産均等投資という方法がある模様。
そんな人に向けた情報がたくさん載っている本でした。
さらに、オルカンやGPIFの投資方法で十分な理由(すでに研究されつくされている)を丁寧に段階を追って説明しつつ、そのようなお手本をまねれば間違いなく成功ができるということを書きつつ、それでもその先を見たい人たちに向けたアドバイスが掲載されているのが好印象。
私が印象に残った点をメモです!
まず自分と向き合え
そこですね・・・
何のために投資をするのか?
どのくらいのリスク許容度があり、リターンはどの程度期待しているのか?
まあ、振り返ればわたしもあんまり考えていません。老後資金?でも、もし自分が70歳まで生きていたとして、その時に今の投資信託一択でいいかといえばそれは違いますよね。
もし今、株式投資で、いきなり儲かってまとまったお金が手に入れば、
マンション買えればな~とか思っちゃっていますけど。
そんなのは、想定すべきではないということです。もっと考えろということです。何を求めているのか。
自分と向き合うのが昔から苦手な私ですが、お金というワンクッションを挟めば少しは手助けになり、向き合う第一歩となるのかも。
投資には様々あり、「扱う難易度も必要な知識も労力も様々、手を出すなら勉強すべきことは多い」ということです。
ある意味、投資は大変な作業ながら「社会人として、経営者として、消費者として投資から学べることは少なくありません」だって。
そうそう。この一言が結構大事。
それがやりたいんです、、わたしは。投資を通して(ダジャレ)学びがあること、私にとっては価値ですね。自分はそこに価値を感じているんだと思えます。
主張していることは、きわめて真っ当ですね。
投資対象の選び方
個別株を選ぶのは簡単ではないし労力も要する。
半分程度はオルカンにして、工夫する余地があれば個別株投資にチャレンジすればいいのでは?という考え方のようです。さて、気になる選定方法は…初心者であれば、利益率や財務健全性が優れている、バランスの取れた大型株ものが良いとのこと。それはネット証券のスクリーニングで見つけることができるということです。
いろいろな数値がある(PERとかEPSとか)ことが書かれていたり、大まかな株式情報は ヤフーファイナンス、株探、ブルームバーグなどを利用して調べることができる、なども情報が載っていました。
ある程度慣れてきたら、ライバルの少ない中小株のほうが魅力的。個人投資家にとっては、中小型株が現在ねらい目と著者も主張していたのにはチャンスがあると感じることができたかな?中小は大口の機関投資家にとって投資対象から外れていることがある模様。日本には上場している企業が4000社ほどあるが、大口でしっかりしらべられているのは1000社ほど、残りの3000社は野放し状態なのですって。
典型的な投資スタイルというもの
ちらちらと単語を聞いたことがあったものの、このようなものであることが整理できました。
高配当株投資
配当利回りが高い銘柄に投資する
バリュー株投資
PERやPBRなどが低いことを株価割安の指標とすること(割安感のある株に投資)
クオリティ株投資
ROE ROA 営業利益率などの指標で収益性の高い銘柄に投資
低ボラティリティ株投資
株価の変動率が低い銘柄に投資(安定成長の会社に投資)
モメンタム株投資
過去1年間などの株価の上昇率が高い銘柄に投資(勝ち馬に乗る)
グロース株投資
売上高成長率や利益成長率が高い銘柄に投資
ただし、一つのファクターで勝ち続けられるものではなく、投資スタイルにこっしつせずにスクリーニングの初期には利用しても、最終的には個別銘柄をしっかり調べることが重要。
昨今の日本株への追い風、個人投資ブーム
そうそう、わたしがこんなに本を読もうと思ったのも、多分、ばっちりブームに乗っているのだと思います。でなければ、こんなに気にならないはず。投資やらなきゃ、みたいな雰囲気、ありませんかね?でも、一歩やってみようかなという気持ちにはなっています。で、やるからには リスクを考えて…
優等生ポートフォリオ・やんちゃポートフォリオ
とにかくこの著者が進めているのは、「グローバル分散・パッシブ投資」であるけれども、もっと欲を出したくなったら、コアのポートフォリオのほかに、サテライトポートフォリオを作ること。
初めは、サテライトポートフォリオ(やんちゃ)を10%程度にして、慣れてきたら20%~30%に増やしてみる。サテライトポートフォリオには、オルタナティブ投資もありで、不動産投資やらいろいろな投資手法が書かれていました。わたしは、そこまで到達できる気がしません。
いずれにしても、サテライトポートフォリオの目利きが大事。というわけで、遊ぶなら、やんちゃするならこの枠でというわけですね。
感想
いずれにしても、やってもやらなくても、ちゃんと考えたうえでしているかというのが、その後の自分の納得にもつながるなと思いました。あの時よさそうだったからなんとなく、で買って成功すればいいけど(ラッキーだけど)、ひどいことになった時に、なぜそうなったか?を振り返ることができない。目利きの重要性は、当たり前だけど、とにかく強調されていました。
それにしても、投資をする目的もちゃんと考えなきゃとも思う。
もう40歳くらいで人生終わってもいいくらいとか思っていたのに、老後の資金のためにお金を増やしておきたいとか、大違いだよね。
なに、、わたしは生きる希望が湧いてきたのだろうか?
暇つぶしなのだろうか?
株価は長期的には上がっていく。その長期というのをどの程度まで許容できるかということかな。株が暴落していても、レバレッジをかけていなければ別にマイナスにはならないものね。だからそんなに悲観することはないけれども(回復するまで待てばいいだけだけど)自分が80歳だったらそんなことは言ってられませんから。
あとは、長期的に株価は上がり続けても、いつか必ず一時的に株価は下がり、回復までにかかる時間も数年ようするケースもある、ということは頭に入れておいたほうがいいということですね。
オルカン一択で、それは大いに良し。ただし、あなたが若ければ。
もしくは、長生きするのであれば。
ということではないでしょうか。何事もうのみにしてはいけません。読んで本当に良かったです。おすすめ!
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