イギリス王室についてのNHKで放送されていたドキュメンタリーを観ました、
単純に面白かった!
王室について、こうやって熱狂できるっていいね。
ドキュメンタリー内では、イギリスは大英帝国からただの島国になり、そこで王族たちは新しい王室を築くことになるであろうといわれていた。
そんな流れもあって「イギリスの王室」ってなんなの?伝統を重んじているけれども、どの程度までさかのぼると良いのだろうかと思い、イギリスについて調べてみました。

なぜイギリスに興味があるか?それは、「沈みゆく大国」としているものの、いまだ世界から尊敬を集めている気がするので、なぜなのだろう?と思ったわけです。日本は少子化となることはわかりきっているのだけれどもイギリスから何か学べるのだろうか?と。生成AIの力も借りながら、いろいろ知りたくて記事にしました。
1. はじめに:「沈みゆく」という言葉の重さ
イギリスはかつて「日の沈まぬ帝国」と呼ばれ、世界の覇権を握った国でした。しかし、第二次世界大戦後の脱植民地化、EU離脱、経済の構造変化などを経て、いまや「沈みゆく大国」と揶揄されることもあります。
けれども、本当にイギリスは沈んでいるのでしょうか?
そして、同じく成熟国家として課題先進国である日本は、どう「沈みゆく道」をたどっているのでしょうか?
項目 | 日本 🇯🇵 | イギリス 🇬🇧 |
---|---|---|
人口 | 約1億2,400万人 | 約6,700万人 |
面積 | 約37.8万km² | 約24.3万km²(北海道+東北くらい) |
GDP(名目) | 約4.2兆ドル(世界3位) | 約3.2兆ドル(世界6位) |
通貨 | 円(JPY) | ポンド(GBP) |
首都 | 東京 | ロンドン |
主要産業 | 製造業(自動車・電子)、観光、金融 | サービス(金融・法務・観光)、医薬、航空宇宙 |
サービス業比率 | 約70% | 約80% |
製造業比率 | 約20% | 約10%以下 |
高齢化率(65歳以上) | 約30%(世界最高水準) | 約19% |
出生率(合計特殊) | 1.3程度(2023年) | 1.6程度(EU平均並) |
移民の割合 | 約2%(在留外国人) | 約15%以上(国による変動あり) |
労働時間 | 年間1,600時間前後(短縮傾向) | 年間1,500時間程度(欧州平均) |
最低賃金(時給) | 約1,000円 | 約12ポンド(約2,400円) |
育児・介護制度 | 出産育児一時金、保育園不足が課題 | ベビーシッターや育児休暇が整備 |
年金制度 | 国民年金+厚生年金 | 国民保険年金(NHS)+個人年金 |
高等教育 | 国公立大は比較的安価 | 学費は高額だがローン制度が整備 |
文化輸出 | アニメ、ゲーム、寿司 | 英語、BBC、文学、ファッション |
政治体制 | 立憲君主制+議院内閣制 | 同じく立憲君主制+議院内閣制 |
国際機関の地位 | G7、G20、OECD | G7、G20、OECD、UN常任理事国 |
2. 産業構造:製造業にすがる日本、金融で稼ぐイギリス
日本は今なお「ものづくり大国」として製造業に誇りを持つ国です。自動車、電子部品、機械など、世界的に競争力のある製品を生み出し続けています。一方で、経済の中心がモノからサービスへと移っていく中で、製造業依存から抜け出せないという側面もあります。
一方のイギリスは、1970年代に産業の空洞化を経験し、早々に「製造大国」という看板を下ろしました。その代わりに金融・法務・コンサルティングといった知識集約型のサービス経済へ大きく舵を切ります。ロンドンはいまなお世界有数の金融センターとして機能し、国家の富の源泉となっています。
👉 まとめ:
イギリスは「物をつくる国」から「知で稼ぐ国」へ転身。
日本は「モノに強みを持つが、転身のタイミングを逃している」とも言えるでしょう。
セクター | 内容 | 割合(概算) |
---|---|---|
サービス業 | 金融、教育、医療、観光、情報通信、文化など | 約 80% |
製造業 | 航空宇宙、自動車(例:ロールスロイス、ジャガー)、医薬品など | 約 10% |
建設業・エネルギーなど | 原油・天然ガスの北海油田、再生可能エネルギーなど | 数% |
3. 王室という“象徴のデザイン”:稼ぐイギリス、守る日本
イギリス王室は、国家ブランディングの中核とも言える存在です。戴冠式やロイヤルウェディング、王室御用達ブランドに至るまで、王室は国内外の観光・メディア・商品価値の一大資源。国家のソフトパワーとして「稼ぐ」存在になっています。
対して、日本の天皇制はもっと神聖で内向きです。天皇は「国民統合の象徴」として、政治とは一線を画し、伝統儀式や慰霊の場に登場します。その清らかさは誇るべき文化ですが、「ソフトパワー化」の対象にはなっていません。
👉 まとめ:
イギリスは王室を“資源”として使いこなし、日本は“敬うもの”として保持している。
象徴の活かし方にも、国家の姿勢の違いが見て取れます。
4. 人口構造と移民政策:縮む日本、多様化するイギリス
イギリスの人口は約6,700万人。日本の約半分ですが、出生率は日本より高く、移民の受け入れにも積極的です。ロンドンには多数のアジア系・アフリカ系・中東系市民が暮らし、都市の多様性は極めて高い。
対して日本は、人口約1億2,400万人。しかし高齢化率は世界最速で、出生率は1.3を切る低さ。移民政策も制度的に厳しく、文化的多様性が進みにくい土壌があります。
👉 まとめ:
イギリスは“沈みながらも増える”国、日本は“沈みながら縮む”国。
この差は、未来のガバナンスの柔軟性にも関わってきます。
5. 首都と地方都市:ロンドンvs東京、そしてその先にあるもの
ロンドンは一極集中でありながらも、マンチェスター、エディンバラ、リバプールなど地方都市が強い文化や教育の個性を持ち、役割分担がなされています。
一方、日本は「東京一極集中」が顕著。大阪、名古屋、福岡などの都市も存在しますが、地方から東京への人口流出が止まらず、地方の疲弊が深刻です。
👉 まとめ:
イギリスは“多極型文化国家”へ近づいている。
日本は“首都圏偏重の構造”から抜け出せるかが問われています。
6. ソフトパワー:どの時代の物語を語るか
イギリスはシェイクスピア、紅茶、BBC、そして「英国紳士」という世界観を持ちます。どこかノスタルジックな魅力がある国です。
日本はアニメ、ゲーム、和食、禅、技術など、「現代的でクール」な魅力が強い。文化の“発信源”としての役割が近年ますます注目されています。
👉 まとめ:
イギリスは“伝統という物語”を売り、日本は“技術とポップ文化という物語”を発信。
どちらも沈みつつ、それぞれの方法で人々の心に届いているのです。
7. 国際的地位と自意識:「世界秩序を知る国」と「空気を読む国」
イギリスは今も国連常任理事国であり、安全保障や外交で大きな影響力を保っています。ときに傲慢とも取られる態度の裏には、「自分たちは世界を作ってきた」という自負があります。
対して日本は、経済大国ではあるものの、**「目立たず協調する」**ことを美徳とする文化が強く、外交でもあまり積極的な態度はとりません。
👉 まとめ:
イギリスは“世界秩序の老練な相談役”、日本は“控えめな名脇役”。
どちらも尊敬されるが、その存在の仕方はまるで違います。
8. おわりに:「どう沈むか」は、沈まないための第一歩かもしれない
イギリスも日本も、確かに“沈みゆく大国”なのかもしれません。かつてのような勢いはなく、変化に直面し、未来に不安を抱えている。
けれども、だからこそ問われるのは「どう沈むか」という姿勢です。
イギリスのように、歴史と柔軟性で再構成するのか。
日本のように、調和と静けさで支えるのか。
その“沈み方”の違いから、私たちは次の時代をどう生きるかを学べるかもしれません。
コメント