気になっていた本ですが、ベストセラーなので手を出せませんでした。ようやく読みましたので、読書感想文を。
内容としては、以下東洋哲学の概要をカジュアルに紹介したもの。「東洋哲学って難しくないでしょ、身近に感じてね」というアピールを感じる。東洋哲学エッセイといったところでしょうか。
軽く書きすぎていて、文体はあまり好みでなく、がつがつは読めませんでした…無理してカジュアルな文体にしている気がする。悪ぶっている優等生みたいな。ラッパーになりすぎたエミネムみたいな。
- ブッダ_無我
- 龍樹_空
- 老子・荘子_タオ
- 達磨_禅
- 親鸞_他力
- 空海_密教
読んだ目的は、それこそ本の帯にあるように「生きづらさがマシになる」考え方を得ることができるなら知りたいから、というもの。
この本を読んでもなにもわかりません。私はお勧めしませんが、それは文体が私に合わないからです。こんなに難しそうだと思われている東洋哲学も、簡単に言うと、こういうことなんだyo!という語り口がいまいちです。一方で、こんなことも知らずにいるのは悔しいので、ちょっとずつ勉強していきたいというとっかかりにはなる本だと思いました。
ただ、一つだけ影響を受けたとすると、親鸞についての文章を読んで「ダメ人間でいいんだ」という気持ちになったことでしょうか。
この本では親鸞は、「クラシック音楽をヒップホップにするくらい、仏教を変化させた人」だといいます。仏教界では異端児ですが、今や日本で一番メジャーな宗教である「浄土真宗」の創始者です。
「だめな奴ほど救われる」を貫いた人ですが、年始に自分が仕事で、「プチバーンアウト Petit Burn Out」を起こしていると気が付いてから、もう何もやらん!と決めた自分にとってはとても心地よく入ってきた考え方で、それでいいんだ、なんて少し思える勇気をもらいました。
もちろん親鸞なんて超有名人で他力本願ということばもあり知ってはいましたが、本を読むタイミングって大事なのだと、心に響くタイミングがあるのだと思いました。なにか有意義なことをしなければ、仕事で成果を出さねばと思っていたけれどもそれが無意味だったのではないかと思ってしまった自分には、響きました。
東洋哲学それ自体にはすごく興味があります。ただ、難しいのもとっつきづらいのも事実です。
この本を読んでとっかかりをつかみ、詳しく見ていきたいなと思いました。今のところ興味があるのは、親鸞と空海です。巻末の、参考文献リストは参考になります。
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