《読書》この1冊ですべてわかる コーポレートガバナンスの基本

コーポレートガバナンスお勉強の2冊目。その分野のことを知るためには、10冊程度読むのが良いらしいけれども、こうやって本を読んでいけば、精通できるものなのかな。

先日読んだ本と、内容は重複しているところがあり理解が進む、納得する。

・コーポレートガバナンスは、アベノミクスの成長戦略という文脈で整備されてきた
・日本的経営の中では、銀行(メインバンク)が企業に対してガバナンスを発揮できていた
(=日本型コーポレートガバナンス)
・エージェンシー問題とは、依頼人である投資家と、代理人である企業の利益が対立する問題
・プリンシプルベース・アプローチ(原則主義)とComply or Explainという2つの特徴がある
・日本は社内昇格の経営陣が多く、日常的な関心は、株主よりも顧客や社員に向いていることが多い


※コーポレートガバナンスの基本、より引用しています

社内研修を受けたときに、ROEの説明があったのですね。ほお~って思いましたが、その背景には伊藤レポートがあったわけで。今話題にしているROICなんかも、バックには政府がいるのかな・・・

経産省の資料なんかをみていると、方法…やはり伊藤レポートの影響力は偉大なのね!と思ったり。

https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/improving_corporate_value/pdf/001_04_00.pdf

わたしが所属している会社でも、最近は「執行と監督の分離」なんて役員も気にかけてはいるけれども、上場企業であればそれは重要視されるのはわかるものの、非上場企業としての重要性はなんだろうか?

エージェンシー問題

私にとって新しい言葉は、「エージェンシー問題」でした。
所有と経営が分離されていることは、ガバナンスを利かせることができます。
しかしながら、デメリットもある。
エージェンシー関係の委託者と代理人の利害は必ずしも一致しないことを、お母さんが子どもにカレーの具材をお使いに生かせることをたとえていました。


食材費用を子どもにわたしたお母さん(委託者)
人参が嫌いな子ども(代理人)
子どもは、「人参が売り切れだった」と偽り、買ってこないかもしれない。
お母さんは、子どもにお使いを頼んでも目的が達成されることはない

そう思うと、監査役が社内の人間であることは、メリットではなく、株主にとってはデメリットなのではないか?
監査役が社内の人間であることの意義って、なにかしら?
監査役は、株主側の人間でないと意味がないのでは、と思いました。

会社はだれのものか?

その答えは、「株主のもの」というのが正しい言葉なのだろう。ただ、違った側面もあるようだ。
会社運営の実務では、2つの考え方が共存していて、バランスをうまくとっていく必要がある。
でも、社員の中から社長を選ぶって、普通のことだと思うんですよね。
頑張っても、社長になれないって、人によってはモチベーションがないのではないか?

考え方概要
株主主権的会社は株主のもの
・会社経営は株主の利益を重視
・経営陣の交代は、株主の代表である取締役会が主導
従業員主権的

※日本ではこちらの考え方が多い
※社長は社員の中で持ち上がり、取締役会も仲間内で運営される
会社は従業員のもの
・従業員の利益を重視
・経営陣の交代は従業員出身者で占められた取締役会が身内の事項として実施

上場企業の場合は、エージェンシー問題に対処するために厳格な機関設計が求められているとのこと。
コーポレートガバナンスの根幹をなすのが、機関設計なのですな。

すべては国際標準にして、日本を魅力的にして、外国人投資家に日本に投資をしてもらおう!というものなのである。それを、どれだけの人が理解しているだろうか?いや、していないね。

そんなのさ、株式を公開している上場企業が勝手にやってよ、ってことにならないか?お金を集めたいなら、それなりに投資してもらうのにふさわしい見てくれにならないといけない。でも、そんな企業と取引をする非上場会社も、上場会社のみてくれに傷をつけないように、きれいな装いをしなければならない。

そんなところでしょうか。

そんなのに、どれだけ振り回されているんだか。企業価値、向上してるのかね?

わたしは今まさにコーポレートガバナンスなるところに触れている実感があり、それはとても貴重な経験だとは思うのだけれども、なにやらよくわかっておらずで触っている人も多いんじゃないかなあ。まだまだ、実感としてすんと来ないですが、せっかくこのような流れにいるので、堪能?したいと思います。

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この記事を書いた人

英語、登山、旅行、考えること

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